外貨建て貯蓄型保険を解約しようか悩んでいませんか?
ネット上には外貨建て貯蓄型保険は解約した方が良いという記事が溢れています。
でも、なかなか解約を決めきれない人も多いのではないでしょうか。
私も外貨建て貯蓄型保険を契約していて、続けるか解約するか悩んでいました。
結論から言うと、私は保険を解約しました。
実際に自分で調べて分かった外貨建て貯蓄型保険の問題点や、
積立NISA・iDeCoとの比較、解約に至った体験談をまとめました。
この記事では以下のことが分かります。
- 外貨建て貯蓄型保険の問題点4つ
- 積立NISA・iDeCoとの比較
- 解約して分かったメリット2つ
外貨建て貯蓄型保険を実際に解約した人の体験談を聞くことはなかなかないと思います。
この記事で保険を継続するか、解約するかの悩みを早く解決して、
将来もらえるはずだったお金を受け取れる未来を手に入れてください。
今回は外貨建て貯蓄型保険を解約した体験談について解説します。
外貨建て貯蓄型保険とは
保険と資産運用の両方の機能を持つ商品
外貨建て貯蓄型保険とは、支払った保険料が外貨(米ドルなど)で運用され、
払込保険料が将来還元される又は一定期間以上経過すると解約返戻金が支払保険料よりも増えるような保険のことです。
日本よりも海外の方が金利が高いため、日本の銀行へ預けるよりも高いリターンが期待できます。
運用は保険会社が行ってくれるため、資産運用のハードルが低く初心者でも始めやすいのが特徴です。
損しないから良い保険商品と思って契約
実際に私も貯蓄目的で生存還付型終身医療保険という保険にに入っていました。
私が入っていた保険は払込保険料が運用されて増える訳ではなく、
60歳まで毎年158,395円を支払い、60歳になると払込保険料が全額還付される終身医療保険に入っていました。
保険内容は入院給付日額5,000円、保険期間は終身です。
29歳の時に契約しましたので、支払う保険料は総額で約491万円になる予定でした。
(158,395円×31年=4,910,245円)
60歳時に491万円全額が還付され、終身医療保険だけが残るというものです。
「なぜお金が戻ってくるの?」と保険の営業マンに聞いてみると、
「払い込まれた保険料を保険会社が外貨で運用して、その運用益を保険会社の収益とするからお金を返しても大丈夫」という説明でした。
老後の貯蓄が491万円できて、老後の収入が無くなったときに死ぬまで医療保険が残る。
保険と貯蓄の両方の機能があって良いこと尽くめな気がしました。
払った保険料が取り戻せるなら、損にならないぞ!
と思っていました。
しかし、60歳までに解約してしまうと元本割れする場合があるというデメリットもあります。
インターネット上では外貨建て貯蓄型保険は解約した方が良いという記事を多く見かけます。
私は6年間保険料を払い続けていて、約95万円払い込んでいましたが結果としてこの保険を解約しました。
ここからは、私が解約に至った理由をお伝えします。
外貨建て貯蓄型保険の問題点4つ
元本が増えない
私は「支払った保険料が戻ってくるため損にならないから良い保険だ」
と思っていましたが、元本が全く増えていません。
支払った保険料がそのまま戻ってくるだけです。
お金が減らないから良いと考えていましたが、
本来増えるはずだったお金が増えないのは損しているのと同じという知識が私にはありませんでした。
私の場合、31年間という長期にわたって支払う予定でしたので
その間全く増えないのは非常に損しているといえます。
もらえるはずだったお金がもらえないのは、損しているのと同じなのか・・・
満期以前に解約すると結局元本割れする
私が契約していた保険は、60歳になる前に解約してしまうと、
解約返戻金が払込保険料より大きく減ってしまい、元本割れするというものでした。
もちろん、これは保険を契約するときに説明を受けていましたから知っていました。
私は投資だとお金が減ってしまうのが怖かったし、保険なら安心という思いがありました。
それに、お金を返してくれるのに終身医療保険が残るから
「仕方ないのかな~」ぐらいに考えていました。
しかし、払い込んだ年数にもよりますが解約返戻金は支払保険料を大きく下回り、契約して数年の間は半分以下しか戻ってきません。
60歳まで支払い続けることができればよいですが、人生何があるか分かりません。
もし、途中で支払うことができなくなれば貯蓄も保険も失うことになります。
この状態で老後の貯蓄をしていると言えるのでしょうか?
元本割れするリスクがあるのなら、投資をしているのと同じではないか?
はじめてそこに疑問を持ったのでした。
実際、株や投資信託ではなく「保険商品に投資している」状態でしたがその自覚はありませんでした(笑)
「保険だから投資より安心」という幻想を持っていたんですね…
改めてお金の知識を持つことの大切さを認識しました。
保険内容が薄い
私は昨年、新型コロナウイルスに感染して一週間会社を休みました。
自宅療養でしたが、みなし入院ということで7日間の入院給付金を受け取りました。
保険料が振り込まれるなんて、なかなかない経験でしたので嬉しかったのですが、
振り込まれた金額は35,000円。
え?これだけ?
というのが正直な感想でした。
当たり前ですが、入院給付日額5,000円ですので
5,000円×7日間=35,000円 というわけです。
しかし、毎月保険料を13,000円払っていることを考えると、
その分貯蓄しておいた方が良かったんじゃないか?と思いました。
今は病気や手術で病院へ入院する日数がどんどん少なっていると聞きます。
これから7日間入院することがどれだけあるだろう?
もちろん、長い人生で大病を患う可能性もありますが、
7日間入院して35,000円の給付か・・・。
と考えると、この保険を続ける意味を考えてしまいました。
保険会社に支払う手数料が不明
実は多額の手数料を取られている・・・?
ところで、なぜこんなに解約返戻金が少ないのでしょう??
それは、手数料が引かれているからです!!!
保険の営業マンから、
「医療保険を契約しながら貯蓄もできて、支払った保険料が損になりませんよ」
このようなセールストークをされたのは私だけではないはずです。
しかし、貯蓄ができる商品なら解約返戻金が減って元本割れするのはおかしいですよね。
もちろん、この引かれた手数料から保険が支払われたり、
保険会社の利益になっているのだから仕方のないことなのは分かります。
私は契約して6年目に解約しましたが、その時の解約返戻金はたったの167,908円。
どんだけ手数料取られとんねん!!(関西弁)
約95万円払い込んでいますからね。
投資信託を選ぶ時はコストを比較するのは当たり前
保険ではなく自分で投資して運用する場合は積立NISAなどで低コストの投資信託を購入するのが良いですが、
投資信託を選ぶ時に信託報酬などのコストを比較するのは当たり前です!
信託報酬とは投資信託を投資信託を管理・運用してもらうための経費として投資額から差し引かれる手数料のことです。
投資は資産を増やすことが目的ですから、資産から差し引かれる手数料が低いに越したことはありません。
私の感想ですが、信託報酬が0.2%でも高いと感じました。
信託報酬などのコストは、投資信託の目論見書にばっちり書いてあります。
ここで皆さんに考えて頂きたいことがあります。
外貨建て貯蓄型保険を契約するときに
保険会社に差し引かれる手数料の説明があったでしょうか??
私の記憶では一切ありません!
契約書を確認しましたが、そんな記述はどこにもありませんでした。
FPの先生に相談する機会があったので聞いてみたのですが、
保険会社で手数料を公表しているところはないそうです。
さまざまな事情があるのでしょうが、
老後資金のような大きなお金を預けるのに
手数料についての説明がないというのは不誠実と感じました。
積立NISA・iDeCoとの比較
金融庁の積立シミュレーション
外貨建て貯蓄型保険を続けるべきか、解約すべきか・・・。
この悩みを解決するために、積立NISAと比較することにしました。
今の支払い保険料をもし積立NISAで運用したらどうなるのか?
これは、金融庁の積立シミュレーションというHPで簡単に確認できます。
私の場合、年間158,395円の保険料を支払っていましたから、月当たり約13,000円です。
(158,395円/年÷12ヵ月=13,199円/月)
この13,000円を60歳までの25年間積み立てるとして
シミュレーションしました。
損切額78万円!それでも25年間3%運用で黒字
毎月13,000円を25年間積立NISAで運用するとします。
運用益は保守的に考えて3%と仮定すると、
25年後には579.8万円という結果でした。
今解約すると約78万円の損失となるのですが、それを差し引いても501.8万円!
外貨建て貯蓄型保険を続けていた場合は
60歳時点で491万円の還付ですから、
78万円の損切りをしても黒字になることが分かりました。
25年間4%運用で+100万円!
投資信託はさまざまな種類のものがありますが、全世界株のインデックスファンドに20年投資した場合、平均利回りは6.3%という結果になるそうです。
そこで、次は運用益4%でシミュレーションしてみます。
結果は668.4万円!
損切額78万円を差し引いても
約100万円のプラスとなりました。
iDeCoならさらに所得税節税メリットもある
次は積立NISAではなく、iDeCoにしたらどうでしょうか。
これはSBI証券のiDeCo節税シミュレーションというHPで確認しました。
私の場合、毎月の掛け金の上限が12,000円だったため、毎月12,000円を25年間iDeCoで運用するとします。
運用益は3%と仮定すると、
25年後には532.2万円という結果でした。
iDeCoだと掛金が全額所得控除されるため、
25年間の節税額が約73万円です。
積立NISAと併用することで、さらに資産を増やせることが分かりました。
保険料を払い続けるより、自分で投資して将来の医療費として資産を増やした方が良いのではないか・・・
ここまでシミュレーションして、私は保険を解約することを決めました。
解約してわかったメリット2つ
「保険料」という固定費が無くなる
外貨建て貯蓄型保険を解約して、保険料という固定費が毎月13,000円削減できました。
今まで通信費や光熱費の削減をしてきましたが、全部合わせても月10,000円程度。
保険の見直しだけで13,000円削減できるのは、家計にとって保険がいかに大きな支出であったかが分かります。
「投資」はいつでも金額を減らすことができる
貯蓄型の保険に支払っていた13,000円を
そのまま投資に回したら、結局13,000円支出しているのと
変わらないのでは?と思うかもしれません。
でも、これはぜんぜん違います!!!
いくら貯蓄代わりに保険料を払っていたとしても、やはりそれは絶対払わないといけない固定費でした。
なぜなら、毎月13,000円を60歳まで払い続けることが条件だったからです。
しかし、13,000円を投資に回すと
いつでも金額を変えることができるのです。
積立NISAは楽天証券やSBI証券ならインターネット上でいつでも変えられますし、iDeCoも年1回掛金を変更することができます。
もし収入が減ったときに掛金を下げることができるというのは精神的に非常に楽です。
これは保険を解約してはじめてわかった感覚でした。
まとめ:外貨建て貯蓄型保険を解約するとお金が自由になる
今回は外貨建て貯蓄型保険を解約して分かったメリット2つを解説しました。
外貨建て貯蓄型保険には保険と貯蓄の両方の機能があって良い保険だと思われがちですが大きく4つの問題点があります。
- 外貨建て貯蓄型保険の問題点
- 元本が増えない
- 満期以前に解約すると結局元本割れする
- 保険内容が薄い
- 保険会社に支払う手数料が不明
ネット上に外貨建て貯蓄型保険は解約した方が良いという記事がたくさんありますが、
解約を検討するなら積立NISAとiDeCoのシミュレーションをして比較するのがおススメです。
- 参考サイト
- 積立NISA:金融庁の積立シミュレーション
- iDeCo:SBI証券のiDeCo節税シミュレーション
そして、実際に解約して分かったメリットがこちら。
- 「保険料」という固定費が無くなる
- 「投資」はいつでも金額を減らすことができる
外貨建て貯蓄型保険はさまざまな契約があり、条件は契約している保険商品によって変わってくるでしょう。
満期まであと少しなら解約しないほうが良い場合もあります。
また、私はある程度まとまった貯蓄があったため、保険を解約することができましたが、貯蓄が無い状態でしたら保険は必要な場合もあります。
しかし、それでも保険料の支払いのせいで貯蓄に回すお金が足りない
というような状態でしたら本末転倒です。
外貨建て貯蓄型保険を契約している方は、ぜひ私の経験を参考にしてシミュレーションをしてみてください。
本来もらえるはずだったお金があるのなら、それはしっかりもらって、人生を豊かに過ごすことを祈っています。
今日も生きやすくなるために1歩前進!たーちんでした!
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