個人事業主になったけど、お金のことはなにを勉強したらいいのかな?結婚後にフリーランスの夫の経理を頼まれたけど、なにから学べばいいの?
そう悩んでいる人はいませんか?結論からいうと、個人事業主になったら日商簿記3級を勉強するのがおすすめです。
個人事業主になったばかりの人は、お金のことについて何を知っていればよいのか分かりません。そして、確定申告の時期になって大変な思いをすることがあります。
私は会社で経理を10年経験した後、フリーランスへ転向しました。実際、簿記を学んでおいてよかったと感じた場面は多くありました。
この記事では、個人事業主にとって簿記を学ぶメリット・デメリットについて解説します。簿記3級を学ぶと、具体的に何が良いのか知りたい人は、ぜひ読んでください。
個人事業主になったら、お金についてなにから勉強すればよい?
個人事業主になったら、簿記を勉強しましょう。具体的には、日商簿記3級がおすすめです。なぜなら、事業を行うと帳簿をつける義務が発生するからです。日商簿記3級の知識があれば、税理士などへ依頼しなくても自分で帳簿をつけることができます。
さらに、簿記を勉強することで、事業を行う上で多くのメリットがあります。
簿記を学ぶメリットとは
簿記を学ぶメリットには、お金の流れを理解できるようになる、経費を抑えられるなどがあります。しかし、もっとも大きなメリットは青色申告ができることです。つまり、簿記を学ぶメリットは青色申告で得られるメリットと言い換えることができます。
青色申告をすると、以下のようなメリットがあります。
- 最大65万円の青色申告特別控除が受けられる
- 赤字を翌期へ繰り延べることができる
- 30万円未満の資産を購入したときに一括で経費にできる
順番に解説していきます。
メリット①最大65万円の青色申告特別控除が受けられる
青色申告をするメリットで1番大きいのが、この最大65万円の青色申告特別控除です。
事業を始めると、売上が発生します。その売上から経費を差し引いたのが所得です。この所得に所得税率を掛けて所得税が計算されます。青色申告をするとこの所得から最大65万円差し引くことができます。
つまり、65万円所得が少なく計算されるので、65万円に所得税率を掛けた金額だけ手残りが増えることになります。所得税は所得が多いほど税率が高くなる累進税率が採用されているため、所得が増えれば65万円の控除を受けて少なくなる税金も多くなります。
例えば、所得が150万の場合、所得税率が5%です。65万円の所得控除を受ければ。65万円×5%の32,500円が手元に残ります。所得が300万円の場合は所得税率が10%なので、65,000円が手元に残る計算です。
このように、所得が増えるほど、65万円の控除によって手元に残る金額が増えます。この制度を使わない手はありませんよね。
メリット②赤字を翌期以降へ繰り越せる
青色申告をするを、赤字になったときにその損失分を翌期に繰り越すことができます。翌期が黒字だった際に、昨年から繰り越した赤字分を所得から差し引くことができ、所得税を少なくすることができます。
例えば、30万円の赤字になってしまったとします。赤字になった年は所得がマイナスなので所得税は0円です。次に、翌年は100万円利益が出たとします。すると、所得が100万円になるところ、昨年の30万円の赤字を差し引くことで70万円にすることができます。本来100万円の所得に所得税がかかるところ、70万円に所得税がかかるので、税金を少なくすることができます。
事業をはじめたばかりのころは、初期投資がかかり赤字になることがあります。ぜひとも使いたい制度です。
メリット③30万円未満の資産を購入したときに一括で経費にできる
青色申告をすると、少額減価償却資産の特例を受けることができます。これは、PCなど30万円未満の資産を購入した際に、一括で経費にすることができるという制度です。
本来、10万円以上の資産を購入した場合、減価償却をしなければなりません。減価償却とは、決められた年数に応じて経費を少しずつ計上する方法です。
少額減価償却資産の特例を受けられれば、ほとんどの資産を購入した場合に全額経費にできて税金を抑えることができます。
簿記を学ばないと起きるデメリット
簿記を学ぶメリットを紹介してきました。一方、簿記を学ばないとどのようなデメリットがあるのでしょうか。簿記を学ばないことで生じるデメリットは以下の2つです。
- 自分の事業の状態を正確に把握できない
- 記帳を税理士などの専門家へ依頼するコストがかかる
それぞれ解説していきます。
デメリット①記帳を税理士などの専門家へ依頼するコストがかかる
事業をはじめると、帳簿をつける義務が発生します。自分で帳簿をつけないとなると、税理士などの専門家へ依頼することになります。そして、専門家へ依頼すると当然コストが発生します。
税理士へ記帳から確定申告まで依頼すると、取引の量などによりますがだいたい3万円~5万円はかかると思っていおたほうが良いです。事業をはじめたばかりでは、大きな出費ですよね。
もっと安価な記帳代行サービスを利用して、日々の記帳は外注し確定申告だけ自分でやる、ということもできます。
もちろん、記帳作業で時間を取られるくらいなら、外注してしまって自分は事業に専念したい、という人もいるでしょう。売上が伸びていて資金に余裕があるなら、その選択も大いに賛成です。
しかし、次に説明する自分の事業の状態を正確に把握できない、というのは事業が大きくなるほどデメリットも大きくなります。簿記の資格を取らなくても、どこかのタイミングで知識をつけておきましょう。
デメリット②自分の事業の状態を正確に把握できない
簿記の知識がないと、自分の事業の状態が正確に把握できません。なぜなら、専門用語が分からなかったり、数字の計算過程が分からかったりするからです。もちろん、事業が小さいうちは、なんとなく分かるのでそこまで問題になりません。しかし、事業が大きくなると銀行へ経営の状態を説明する必要があったり、経理を従業員として雇ったりする必要が出てきます。その際、銀行へ事業の状況を上手く説明できない、従業員にお金を抜かれていても気づかない、などの問題が出てきます。
事業が小さいうちはお金の流れが分かりやすく理解がしやすいです。事業が小さいうちから知識を得ておくことをおすすめします。
簿記と青色申告はどんな関係?
これまで青色申告のメリットを解説してきました。しかし、簿記と青色申告はそもそもどんな関係があるのでしょうか。ここでは、簿記と青色申告の関係を説明します。
帳簿をつけることで事業所得として認めてもらう
まず、事業で得た所得は事業所得と雑所得のどちらかに分類されます。事業所得とは、その名の通り事業によって得た所得ということです。一方、趣味や小遣い稼ぎ程度など事業とは認められない場合、雑所得となります。帳簿をつけることで、所得が事業所得として認められます。
事業所得は青色申告を選択できる
事業所得として認められると、何が良いのでしょうか?事業所得は、青色申告を選択することができます。
青色申告とは確定申告の種類のこと。確定申告には、青色申告と白色申告の2種類があります。事業所得は青色申告、白色申告のどちらかを選択できます。一方、雑所得は白色申告しか選択できません。青色申告を選択すれば、先に説明した最大65万円の控除を受けられるなど、さまざまなメリットを受けることができます。
青色申告を選択するには複式簿記での記帳が必要
青色申告を選択するには、帳簿を複式簿記でつける必要があります。帳簿のつけ方には単式簿記と複式簿記の2種類があります。
単式簿記とは、一つの取引に対して入出金の金額とその内容だけを記帳する方法です。おこづかい帳をイメージすると分かりやすいです。一方、複式簿記とは、一つの取引に対して原因と結果の二つの側面を借方と貸方(左側と右側)にそれぞれ記帳する方法です。この複式簿記での記帳方法を学ぶのが、簿記です。
日商簿記3級はどんな資格?
個人事業主の帳簿付けに必要な知識は、日商簿記3級で十分修得できます。この日商簿記3級はどんな資格なのでしょうか。
日商簿記検定3級の基本データは以下の通りです。
簿記検定はさまざまな種類がありますが、この日商簿記検定がもっとも知名度があり、テキストなどが豊富に販売されているため学習しやすいでしょう。
試験は紙で行う統一試験が年3回(2月、6月、11月)行われています。2020年からはインターネット上で行うネット試験も導入され、試験を随時受けることが可能になり受験しやすくなりました。
簿記はどうやって学べばよいの?
日商簿記3級の学習方法は、独学または通信教育がおすすめです。
独学と通信教育には、それぞれメリットとデメリットがあります。各自の事情に合わせて、自分に合った学習方法を選ぶことが大切です。
簿記を独学で学ぶメリット・デメリット
独学のメリットは、コストがかからないことです。
日商簿記3級の取得には、約100時間の学習が必要といわれています。しかし、基本的な内容が中心ですので、独学でも学習可能です。
本屋には簿記3級のテキストが3,000円程度で売られています。分かりやすいテキストも多数ありますので、立ち読みしてみると良いでしょう。また、ユーチューブには学習動画が多数配信されており、無料で簿記を学習することができます。ぜひ活用しましょう。
独学のデメリットは、分からない点を質問できないことです。簿記は独特な考え方を習得する必要があり、慣れるまでは理解することが難しい場面があるかもしれません。
簿記を通信教育で学ぶメリット・デメリット
通信教育のメリットは、分からないところを質問できることです。
分からないところが出てきた場合、誰かに質問できるというのはとても心強いですよね。一人で1時間悩んでも分からなかったことが、人に聞いたら一瞬で解決した、なんて経験は誰にでもあるのではないでそうか。
また、その他にも勉強するペースを保ちやすい、モチベーションを維持しやすいなどのメリットがあります。
通信教育のデメリットは、コストがかかることです。1万円~数万円のコストがかかると考えておきましょう。
どうしても数字が苦手でサポートが欲しい、という方はクレアールの通信教育がおすすめです。資格の大原などの大手予備校に比べて安く、約1万円程度です。テキストも重要なポイントに絞ったシンプルな内容になっています。回数無制限で質問できるのも大きな特徴です。
まとめ
個人事業主のための簿記を学ぶメリットを解説しました。
個人事業主になったら、日商簿記3級を学ぶことをおすすめします。
簿記を学ぶメリットは、青色申告ができるようになるからです。青色申告には、下記のようなメリットがあります。
- 最大65万円の青色申告特別控除が受けられる
- 赤字を翌期へ繰り延べることができる
- 30万円未満の資産を購入したときに一括で経費にできる
一方、簿記を学ばないと下記のようなデメリットがあります。
- 自分の事業の状態を正確に把握できない
- 記帳を税理士などの専門家へ依頼するコストがかかる
なぜ簿記を学ぶと青色申告ができるようになるのか?それは、帳簿を複式簿記でつけることが、青色申告を選択する条件になっているからです。そして、複式簿記での記帳方法を学ぶのが、簿記です。
個人事業主の帳簿つけには、日本商工会議所が行う簿記3級の知識があれば十分対応可能。
日商簿記3級の学び方は、独学と通信教育の2種類。
独学のメリットはコストがかからないことです。市販のテキストは3,000円程度で手に入り、ユーチューブで解説動画を無料で見ることができます。一方、デメリットは分からないところを質問できないことです。
通信教育のメリットは分からないところを質問できることです。一人で悩む時間を短縮でき、数字に苦手意識がある人にも安心です。一方、デメリットはコストがかかることです。最低でも1万円程度はかかると思っておきましょう。
簿記を勉強することは、個人事業主にとって多くのメリットがあります。ぜひ、日商簿記3級を取得して、自分で青色申告に挑戦してみてください。
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