事業を始めたばかりでも、できる節税はあるのかな?事業を始めて個人事業主になった、副業を始めた人は、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。税金のことを知らないと、損をしているかもしれません。経理実務10年の私が個人事業主になったとき、まずはじめにやった節税対策を紹介します。事業を始めたばかりでも、売上が少なくても、できる節税はあります。この記事を読めば、税金で損する可能性を限りなく低くすることができますよ。
税金を減らすためには、税金の仕組みを知ろう!
事業を始めると、多くの場合、事業所得が発生します。そして、事業所得には所得税がかかりますので、ここでは所得税の仕組みを説明します。
所得税はその名の通り、所得に対してかかります。所得税は所得が多くなるほど税率が高くなり、税率は5%~45%です。
ここで、所得について説明します。所得とは、収入(売上)から経費や控除を差し引いたものです。
以下のように表すことができます。
収入(売上)‐ 経費 – 控除 = 所得
ここでのポイントは、所得は収入から経費と控除と差し引いて計算されること。つまり、経費と控除をもれなく申告することで、所得を少なくすることができ、それにかかる所得税も少なくすることができます。
控除を活用しよう
最初に活用するべき控除はこの2つ。
- 青色申告特別控除(最大65万円)
- 各種所得控除(社会保険料控除、生命保険料控除、医療費控除など)
これらは会社員が副業をはじめた場合でも活用することができます。知っている、知らないで大きな差がつきますのでぜひ活用するようにしましょう。
青色申告特別控除(最大65万円)
青色申告を行うことで最大65万円の青色申告特別控除が受けられます。この青色申告特別控除がもっとも効果の大きい節税対策といっても過言ではありません。知らなかった、という方はぜひ覚えておきましょう。
青色申告とは、確定申告の種類のことです。確定申告には青色申告と白色申告の2つがあります。青色申告を行い65万円の青色申告特別控除を受けるには3つの条件をクリアする必要があります。
- 事前に「開業届」と「青色申告承認申請書」を税務署に提出する
- 複式簿記で帳簿をつける
- e-Taxを使って確定申告書を提出する
事前に「開業届」と「青色申告承認申請書」を税務署に提出する
まず、事業を開始したら1カ月以内に「開業届」と「青色申告承認申請書」を税務署に提出します。どちらもインターネットからダウンロードすることができ、同時に提出すればOKです。もし、事業を開始してから1カ月以上経過してしまっても提出することはできます。その場合は、青色申告ができるのが翌年からになりますので注意しましょう。
複式簿記で帳簿をつける
つぎに、複式簿記で帳簿をつける必要があります。複式簿記で帳簿をつけるには会計ソフトが必須です。しかし、年間1万円ほどで導入できますので、導入して65万円の所得控除を受けた方がお得な場合が多いです。複式簿記で帳簿をつけなかった場合、受けられる所得控除は10万円まで下がってしまいます。
e-Taxを使って確定申告書を提出する
最後に、e-Taxを使って確定申告書を電子申告で提出します。紙で提出した場合は、受けられる所得控除が55万円になります。
各種所得控除(社会保険料控除、生命保険料控除、医療費控除など)
所得控除はさまざまな種類があります。その中でも、特に多くの人が活用できる控除は下記の3つです。
- 社会保険料控除
- 生命保険料控除
- 医療費控除
社会保険料控除は全ての人が使えますし、生命保険料控除、医療費控除は該当する人が多いのではないでしょうか。会社員を経験した人には年末調整で生命保険料控除などを申請した経験があると思います。
これらの控除は個人事業主になっても認められます。
社会保険料控除
社会保険料控除は国民健康保険料と国民年金保険料の支払額を控除できるというものです。社会保険料はほぼすべての人が支払っていると思いますので、必ず申請するようにしましょう。
生命保険料控除
つぎに、生命保険料を支払っている人は、もれなく生命保険料控除を申請しましょう。生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護保険料控除をすべて合わせると、最大12万円の控除が受けられます。ただし、掛金が全額控除されるわけではないので、保険料のかけすぎには注意しましょう。
医療費控除
最後に医療費控除です。医療費控除とは、その年に10万円以上医療費を支払った場合に10万円を超える医療費を所得から控除できる制度です。また、セルフメディケーション税制による特例もあり、ドラッグストアなどで購入した医薬品が12,000円を超える場合に、その超えた金額を所得から控除できます。
入院や手術をして医療費が多くかかった、という年には忘れずに申請したいところです。医療費控除とセルフメディケーション税制の特例は、どちらか一方のみ使うことができます。両方を適用することはできませんので注意しましょう。
その他控除
その他にも、結婚されている方や扶養している家族がいる方、特殊な事情がある方は以下の控除が使える可能性があります。
- 配偶者控除
- 扶養控除
- 寡婦・ひとり親控除
- 勤労学生控除
- 障害者控除
自分が該当するものがないか、一度国税庁の「確定申告の手引き」を確認しておきましょう。
経費を計上しよう
所得税を少なくする方法は、所得をできるだけ少なくすることでした。ここでは、所得を少なくする2つ目の方法、経費を計上するを解説します。
事業を始めたばかりでも計上できる経費は以下の4つです。
- 家賃や電気代などを経費に計上する
- 30万円以下の固定資産を一括で経費にする
- 経費にできる税金を知る
- ふるさと納税をする
一つずつ解説していきます。
家賃や電気代などを経費に計上する
事業をはじめたばかりの方は、自宅で仕事をする人も多いと思います。自宅の家賃や電気代は、家事関連費として経費に計上することができます。注意点として、全額を経費にすることはできず、事業に関係する部分だけを経費にできます。例えば、家賃は事業て使用している面積分を計算して経費にするというイメージです。
30万円以下の固定資産を一括で経費にする
青色申告をすると、少額減価償却資産の特例を受けることができます。少額減価償却資産の特例とは、30万円以下の固定資産を一括で経費にできる、というものです。パソコンなどを購入した場合、10万円以上のものは固定資産となり減価償却を行わなくてはなりません。減価償却とは、数年に分けて経費に計上する方法のことです。しかし、少額減価償却資産の特例をうけると30万円以下であれば一括で経費にすることができます。
経費にできる税金を知る
事業を行っていると、さまざまな税金を払うことがありますよね。税金の中には、経費に計上できるものがあります。
- 印紙税
- 個人事業税
- 固定資産税
- 自動車税
- 登録免許税
これらの税金は、経費にできますので会計ソフトへ入力する際は「租税公課」という科目で仕訳をします。もちろん、これらの税金でも事業に関係しない場合は経費に計上できませんので注意してください。
ふるさと納税をする
ふるさと納税とは、自分が応援したい市町村へ寄付をして、その寄付金額から2,000円を引いた金額が翌年の住民税から差し引かれる制度です。住民税の前払いですが、寄付する市町村によってさまざまな返礼品を受け取ることができます。
寄付をしても、翌年の住民税から差し引かれる金額には、所得の金額によって上限があります。ふるさと納税を紹介しているホームページで自分の寄付金額の上限を計算することができます。今年はある程度の所得がありそうだな、と感じたらぜひチェックしてみましょう。
ちなみに、ふるさと納税には確定申告が不要になる「ワンストップ特例」があります。これは会社員のための制度で個人事業主は利用できないので注意しましょう。
まとめ
事業をはじめたばかりでもできる節税対策6選を解説しました。
税金を少なくするには、所得を少なくすること。それには、控除と経費をもれなく申告することが重要です。
最初に活用するべき控除は2つ。
- 青色申告特別控除(最大65万円)
- 各種所得控除(社会保険料控除、生命保険料控除、医療費控除など)
事業を始めたばかりでも計上できる経費は4つです。
- 家賃や電気代などを経費に計上する
- 30万円以下の固定資産を一括で経費にする
- 経費にできる税金を知る
- ふるさと納税をする
控除と経費をもれなく申告して、上手に節税しましょう。
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